【第十四話】デニムジャケット

【第十四話】デニムジャケット

こんにちは“5大陸オーガニックデニム”を企画したPLANNERの木村です。

前回、製品が出来るまでのパタンナーとのやり取り、シルエットや形についてお話しさせて頂きました。

今回は「デニムジャケット」にまつわるお話しをさせて頂きます。

 

私は学生時代からアメリカ文化やアメリカンカルチャーに少しずつ興味を持ち、アメリカ雑貨なども好きで良く古雑貨屋さんやアンティークショップに足を運びました。
「何故かワクワクして当時はお金も無いのに宝探しの様な気分だったのかな」

 

今みたいに便利なスマートフォンやPCといった情報源が無い時代、

当時はTVや雑誌で情報を集めていたものです。

ファッション雑誌の「POPEY」「ホットドッグ・プレス」「Boom」等でファッションのトレンドや情報を見て学んで育ちました。

 

初めてジーンズを穿いたのは小学校4年生の頃、

親戚のお下がりで頂いたジーンズでした。

 

小学生の当時、ジーンズは今のようにそこまで一般大衆的なパンツでは無かったと思います。

 

私の通った田舎の小学校は私服通学でした。

今思うと日々の着替えを用意する母親は大変だったと思います。

 

デニムジャケットは小学校6年生の時、お年玉で初めて買いました。その頃流行っていたケミカル加工をした霜降りのようなGジャンでした。

 

10代の思春期の時の思い出はいつまでも忘れないといいます。

ジーンズもそうですが、Gジャンには色々と思い出が有ります。

 

1990年代、私が高校生の頃、VINTAGEブームでファッション雑誌でも良く取り上げられるようになりました。

高校2年の頃、某有名メーカーの60年代~70年代初期までのGジャンが欲しくて地元の街に出かけて数件ある古着屋を探し回りました。

私の中でその年代までが「VINTAGE」と呼んでいます。

ただ当時はVINTAGEブームの真っ只中だった為、

その古着屋の店員から

「予算はどのくらいですか?」

と尋ねられ

23万円までです。」と答えると

「その値段では無いですね。」とバッサリ。。。

店舗にもよると思いますが、当時某有名メーカーのその年代のGジャンは3万~4万円位が相場だったようで店員から無名のストア系のGジャンを進められちゃいました。

 

「インディゴの色が濃くて色落ちが良いですよ」と

試着して状態も悪くなくて気にいったので購入する事にしました。

その時は良かったのですが、後になって最初に買い求めていた

某有名メーカーの60年代~70年代初期までのGジャンが心残りで、、、

今でも古着屋さんに行くと必ず手に取って

色の落ち感や釦裏の刻印、サイズ感を確認して、最後に値段を見ています。

 

今思うと当時高校生だった時のあの値段は何だったのか?(今だったら23着買えちゃう)

と今でも思う時があります。(株みたいなものか?)

 

私のGジャン思い出話しで長くなりましたが、そんな若かりし頃の苦い思い出があるからGジャンには特別な思い入れが有ります。

 

Gジャン(ジージャン)と呼ばれるデニム生地のジャケットですが、「Jean jumper」(ジーンジャンパー)の略だと言われています。しかし英語圏では「Jean jumper」(ジーンジャンパー)ではなく「Jean jacket(Jean jacket)や「Denim jacket(デニムジャケット)と呼ばれる事が多く「Gジャン」は和製英語です。

これも諸説ありますが、ジーンズが「Gパン」と呼ぶように「GI(アメリカ軍軍人の俗称)」が良く穿いていたからそう呼ばれるようになった説や、

Jeans jumper(ジーンズジャンパー)のジーを単に「G」と表現したというような説が有りますが定かでは有りません。

 

今回80周年記念限定モデル“MODEL 80TH XXXX-EXTRA”のジャケットの商品名はGジャンではなく「DENIM JACKET」(デニムジャケット)です。

 

個人的なイメージですが「Gジャン」より「DENIM JACKET」の方がスマートな印象を受けます。

ジーンズのサンプル作成も何度も繰り返し試作を作り最終的な形になりましたが、

こちらのデニムジャケットも何十着とサンプルを作り修正を繰り返しました。

 

シルエットは勿論ですが、下記デニムジャケットの拘り箇所になります。

 

  • ポケットのデザイン・サイズ感・バランス
  • 尾錠と尾錠カン
  • 動きやすさを追及したフロントのアクションプリーツと背中のタック
  • アクションプリーツを留めるカン止めの形
  • トップボタンを留めて着る着こなし(トラディッショナル)がしたい為、首周りの

サイズ感

  • 縮率が大きいのでサイズ毎のパーツバランス

 

等、他にも細かい所は沢山有ります。

 

冒頭でお話ししたように、デニムジャケットには若かりし頃の苦い思い出(今となっては懐かしい。)があるからこそ妥協せずにとことん拘って追及しました。

 

昔し買えなかったVINTAGEGジャン

代わりに買った無名のストア系のGジャン

 

過去何千着と見てきたVINTAGEの数々

 

ビッグジョンの拘りの詰まった

80周年記念限定モデル“MODEL 80TH XXXX-EXTRA

XX6001 DENIM JACKET

どこのDENIM JACKETにも負けない自信が有ります。

 

それは着続けて頂いたら実感して頂けると思います。

 

 

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