【第十七話】釦・リベット

【第十七話】釦・リベット

こんにちは“5大陸オーガニックデニム”80周年記念限定モデル“MODEL 80TH

XXXX-EXTRA“を企画したPLANNNERの木村です。

 

今まで商品が出来るまでの経緯、生地が出来るまでの工程などをお話しさせて頂きました。

このBLOGを第一話から閲覧して頂いた方には、商品が出来るまでとても時間が掛かる事を知って頂いたと思います。

 

今回はジーンズやデニムジャケットの釦・リベットのお話しをさせて頂きます。

ジーンズの中で釦やリベットは脇役的なパーツと思われる方もいるかと思いますが、

とても重要なアイテムになります。

 

リベットとは英語で「rivet」

金属などをつなぎ合わせる時にボルトやネジなどのネジ山が無く、金属の鋲で留めるというものです。

ジーンズが生れたのは1870年代。1840年代から始まったゴールドラッシュで金鉱を探すために世界中から集まった労働者達は毎日の重労働に耐えるより頑丈なワークウエアーを求めていました。そんな時代、とある仕立屋に「絶対に破れないズボン」を作って欲しいと依頼がありました。そして考えた末、ポケット口の負荷の掛かる部分に馬具に使うリベットを打ち込んで補強する事を思いついたのがジーンズの誕生のきっかけです。

 

「負荷の掛かる部分に馬具に使うリベットを打ち込んで補強する」

今までの衣料の常識を覆す画期的な発明でした。

 

ジーンズでは主にポケットなどの負荷が大きな所の補強に使われます。

現在ではミシンの技術開発も進みリベットを打たなくても破れにくくはなっていますが、ジーンズの誕生のきっかけを作ったといっても過言ではないリベットはジーンズには必要なアイテムとなります。

 

ジーンズのリベットは様々な材質で作られています。

アルミや真鍮素材など用途によって作成されています。

 

80周年モデルはジーンズの経年変化とその他のパーツも変化を楽しんで頂きたいという想いで銅素材を使用しました。

銅はアルミや真鍮とは異なり時間が経つにつれ、良い色に変化して行きます。

 

ジーンズを穿き込んで良い色落ちしてもパーツがピカピカの新品ではおかしいですよね。

 

釦は今回の為に鉄素材の釦を作成しました。

ですが鉄素材の釦を作るのはなかなかハードルが高く時間が掛かりました。

 

まずは釦メーカーさんに交渉しました。

 

鉄製釦を作成するのに幾つか問題があります。

 

  • 新たにデザインする釦は型を作成する必要があり型代が非常に高くつく
  • 釦を作成するミニマムロット(最低数量)が桁外れに大きい
  • 検針機に通らない為、ハンド検針をする必要性がある
  • 作成するのに時間が掛かる

 

昔みたいにジーンズが大量に売れる時代なら特に問題はないですが、今の市場の動向ではなかなか難しい所でした。

 

しかし創業80周年の節目の記念モデルにはどうしてもこの鉄製の釦を使いたかった。

 

リベット同様

ジーンズの色落ちが進むにつれて、釦の表情も変わっていく。

 

きづかない人もいるかと思いますが、

 

MODEL 80TH XXXX-EXTRA“を買って頂いたお客様は

きっとそんなパーツの拘りにきづいて楽しんで頂いていると思っています。

 

 

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