【第6話】本藍・天然藍とピュアインディゴ

【第6話】本藍・天然藍とピュアインディゴ

こんにちは“5大陸オーガニックコットンデニム”PLANNERの木村です。

今回は本藍・天然藍とピュアインディゴについて説明させて頂きます。

 

ジーンズの色落ちに欠かせないとても重要なポイントになるインディゴの染めですが、一般的にはピュアインディゴと言われる染料を使用します。

よく間違われるのが、「ピュアインディゴ=天然」。実際は合成インディゴという石油を原料とする化学染料です。

「ピュア」=「PURE」=「純粋」→「天然」

みたいな連想から来るのでしょうか?

 

メーカーやショップスタッフの知識不足なのかは分かりませんが、実際に知らない人は多いと思います。

合成インディゴは19世紀後半にドイツの化学者がインディゴの化学的な合成に成功し、

工業的な手法を取り入れて誕生しました。

合成インディゴは別名「ピュアインディゴ」とも呼ばれ、不純物が無く、純度が高いのが特徴で色相が鮮やかで、染めムラが少なく美しく染める事が出来ます。

天然インディゴに比べ不純物が無いので「ピュアインディゴ」と言われるという諸説もありますが本当かどうか定かでは有りません。

また通常インディゴ染めの色を調整する際にインディゴ以外の染料や顔料を調合して染める事もあります。合成インディゴのみを使用するから「ピュア」インディゴという諸説もあります。

 

このピュアインディゴは効率的に生産が出来、そして当時の産業革命を追い風に生産量を拡大しました。

現在では合成インディゴは主流の染料となり日常で使われている製品には多く使われるようになりました。

 

本藍・天然藍は同じです。

呼び名が違うだけで

「本藍」=「天然藍」=「ナチュラルインディゴ」

 

藍とは天然の植物の葉っぱを発酵させて作ります。

天然の藍の植物を使ったインディゴ染料なので「本藍」「天然藍」と呼ばれています。

藍の種類も様々で、「インド藍」「蓼藍」「琉球藍」などがあります。

 

「本藍」「天然藍」を使用した“藍染め”は世界中で最も古くから用いられて来た植物染料と言われています。

また人類最古の染料とも言われ「藍」は有史以前から人々の体を保護して来ました。

それは衣服以外にも薬草や漢方、生薬としても重宝されたようです。

 

歴史は大変古く、紀元前2000年頃のエジプトの遺跡から発掘されたミイラに巻かれた麻布が藍で染められていたそうです。

 

「藍染め」と聞くと日本の伝統的な染色と感じますが、大陸から伝わって来た文化の1つだったようです。

日本に伝わってきたのは朝鮮半島との交流が盛んになる飛鳥時代~奈良時代と言われ、

当時身分を定めた「冠位十二階」の中でも上から二番目の位の色が「藍色」だったと言われています。貴族階級の人々はその象徴として藍染めの衣服は身分の高い人しか身に着ける事の許されない特別な存在であったと言われています。

 

「冠位十二階」

603年(推古天皇)に設けられた冠の種類によって朝廷内の序列を示す最初の制度。

「日本書紀」によれば、「徳・仁・札・信・義・智」

冠には「紫・青・赤・黄・白・黒」

この二番目の位の「青」の色が藍を使われました。

 

「本藍」「天然藍」の特徴

■自然植物の藍染料なので青色成分はその時々にしか出せない特別な色

■藍ならではの深い色相

■手作業ならではの温かみのある色と希少性の高さ

■堅牢性が良い

 

長くなりましたが、今回の80周年モデルに使用した“5大陸オーガニックデニム”は希少性の高い「本藍」「天然藍」「ナチュラルインディゴ」の染料を100%使って

深い深い藍色を追及しました。

また古い歴史は諸説ありますので所々不備が御座いましたら御免なさい。

 

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