【第十六話】ビッグジョンマークジャガードスレーキ

【第十六話】ビッグジョンマークジャガードスレーキ

こんにちは“5大陸オーガニックデニム”80周年記念限定モデル“MODEL 80TH

XXXX-EXTRA”を企画したPLANNERの木村です。

今回はジーンズのスレーキに使われたジャガードスレーキについてお話しさせて頂きます。

 

ジーンズのフロントポケットにはジーンズの生地以外の布地が使われています。

一般的には厚く糊付けし光沢を出した平織りや綾織りの綿素材の生地を使います。

またレディースは肌に当たるので薄めの素材を使ったり、合繊なども使用しますが、この布地の事を一般的に「スレーキ」と呼びます。

ドイツのシレジア地方で最初に織られた事から「シレジア」と呼ばれる事もあったようです。

生地名がジーンズのパーツの固有名詞として使用されるのは、ジーンズのフロントポケットの布地にこの生地が多く使われた事に起因していると言われています。

またスレーキの語源は、滑らかなという意味を持つスリーク(SLEEK)にあるとされています。

スレーキ自体は表から見えないので、脇役的な素材ですが、JKTやパンツを作る上では欠かせない素材です。最近では内側にも見えないこだわりを持ってブランドロゴやアイコンをプリントしたり、スタンプなどを押したり差別化を図ったりする所も増えています。

 

今回、“5大陸オーガニックデニム”80周年記念限定モデル“MODEL 80TH  XXXX-EXTRA”はプリントやスタンプなども考えました。

しかしビッグジョンのトレードマークである「ベースボールマーク」を立体的に表現したい。

という思いから生地の織りでその立体感を表現しました。

いわゆる「ジャガード織り」という織り方で、模様を直接編み込んで生地自体に厚みが出る所とでない所で立体感を作ります。

 

立体的な柄は高級感があり、プリント生地のように色あせたり色落ちしたりするという心配がないのも魅力です。

魅力的なジャガード生地ですが、プリント生地と比べるとかなり金額が掛かってしまい、制作ロットが大きく制作は難しいのが現状です。

 

ジャガード織りの生地をあまり見かけないのはそんな事情があるからです。

 

ジャガード生地の歴史は古く、フランスの発明家ジョセウ・マリー・ジャカールが

「ジャカール編み機」を開発したことから「ジャガード」と呼ばれるようになりました。

正式には「ジャカード」が正しいようです。

英語で表記すると「Jacquard」「ジャカード」

日本後で発音しやすい事から「ジャガード」と呼ばれるようになったのでしょう。

 

「ビッグジョンベースボールマークの立体感」

 

何度も試作を繰り返しました。

 

ベースボールマークのランダムな配置

 

糸の太さ

 

糸の色

 

デニムは日々穿いて行く度に、少しずつ経年変化が楽しめる

 

スレーキもインディゴの色が被ってよりベースボールマークの姿が浮き彫りになる

 

5大陸オーガニックデニム”と“ベースボールマークジャガードスレーキ”

は次のモデルでも採用しました。

 

より多くのお客様に実感して欲しい

 

ビッグジョンの拘り、そして職人の技術とプライドが詰まった素材はこの先の未来に伝えて行きたい。

 

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