【第3話】なぜオーガニックコットン?
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こんにちは“5大陸オーガニックコットンデニム”PLANNERの木村です。
本日で3回目の投稿になります。
今回はオーガニックコットンについて説明させて頂きます。
普段自分達が何気に着ている衣類ですが、多くは綿(コットン)から出来ておりその原材料は植物から出来ています。綿はアオイ科ワタ属に分類される植物で、花が咲きその後丸い実を付け実が膨らんではじけると中からフカフカの綿毛が出てきます。私も特に意識していなかったのですが、80周年モデルの開発に向けて原材料の綿についてクラボウさんや紡績を行う大正紡績さんに教わり、自分自身も色々と調べて見ました。
“世界的に綿花栽培に於いて様々な問題がある事を初めて知り驚きを感じました。”
それは【綿花栽培には大量の農薬が使われており、大きな社会的問題になっている】という事です。
一般的に綿花栽培に使われる農薬は猛毒でそれを飲んだら死に至る程の危険性があります。
ある資料によると綿の生産過程では世界の農薬の18%、殺虫剤の25%が使用されていると言われています。
この数字を見れば綿農家の人がどれだけ「農薬」や「殺虫剤」の毒にまみれて人体に危険な仕事をしているのかが分かります。
■生産者が受ける健康的被害の問題
■生産者が受ける経済的被害の問題
■大量の農薬による環境破壊の問題
私たちが常日頃そんな事を知らない間に、毎日大量の新しい衣料品が作られ、自分たちが購入し、そして着なくなれば廃棄して行く、そんな日常が繰り返されています。
現在では値段的に手頃で身近なファストファッションは消耗品のように海外で大量に作られ、そして世界各国に販売されています。
そういった需要があるからこそ、今まで以上に綿花を大量に収穫する必要性があり、危険な化学肥料を大量に使用しているのが現状です。
「誰かが気軽におしゃれを楽しむ一方で、大地と誰かが辛く悲鳴を上げています。」
我々メーカーとして、衣類を作って販売する人として今ある現実を受け止め、これから先の物づくりを深く考えていかなければいけません。
そんな中、今回お願いした大正紡績さんは古くからオーガニックコットンに取り組み、2010年に日本の紡績メーカーとして初めてオーガニックの認証機関「GOTS」と「OCS」両方の認証を受け、その基準を厳格に守り続けオーガニックコットンを糸にしています。
■GOTS:Global Organic Textile Standard
■OCS:Organic Content Standard
オーガニックコットンの条件
- 3年以上農薬や化学肥料などを使用しない。
- 原産地が明確で遺伝子組み換え種子でない。
- フェアトレードである。
コットンを生産する農家が安全かつ衛生的な労働環境下にあり正当な生活賃金を支給すること。正当な価格で安定的に購入し続けることが条件。
農場での栽培時や工場で加工される工程など全ての流通・生産経路における監視(トレーサビリティー)が必要となる。その為、監視基準にはいくつか国際的な基準が存在します。
オーガニックコットンの基準は主に農場と工場の二つの場面で分けられ厳しい基準をクリアーした農場のみ認証を得られます。
では農薬や化学肥料を使わずにどうやって綿を育てているか?というと害虫の駆除には天敵であるテントウムシを使用したり、雑草は人の手で除草したり、肥料については牛糞にトウモロコシや綿花の小枝などを混ぜ合わせ発酵させたものを使ったり、手間と時間をかけながら、昔しながらの自然な栽培方法で作られています。
そのような環境で育てられたオーガニックコットンは天然の油分を保ち、繊維の状態が正常なため、洗濯しても繊維に弾力性があり丈夫で肌触りが良いのが特徴です。
オーガニックコットン製品は世界的に少しずつでは有りますが認知度は高まってきています。世界的にみてオーガニックコットンの占める割合は1%ほどと言われています。
確かにオーガニックコットンの製品は従来のものよりも値段が高いですが、我々メーカーや消費者が今後オーガニックコットンの製品を使用するようになれば、さらにその市場は拡大し、売る側の価格競争で将来少しづつ価格も落ち着いて来ると思います。
今回80周年記念モデルは誰が何と言おうと「人と地球にやさしいオーガニックコットン」を使用することに決めました。
未来を変えるのも消費者である私達の行動一つなのです。
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