レザーベルトBLOG【第4話】
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皆様、こんにちはPLANNERの木村です。
前回、バックルの真鍮業者様とのやりとり、バックルが出来るまでの流れをお話しさせて頂きました。
今回第4話は、レザーベルトの完成についてお話しをさせて頂きます。
皮工場様との打ち合わせを進め、まずはタタキ台のプロトサンプルを作製して頂く事になりました。
今生産出来る最大厚のレザーのヌメ革で作製して頂きました。
サンプル作製に皮作製からのスタートになるので3週間~4週間掛かります。
その間私は、紹介して頂いたベルトの刻印版を作製して頂く業者様に連絡を取り刻印作りを進めて行きます。
以前も話しましたがベルトの作製は初めての試みで、何をするにも一からで、やり方を教わり進めて行くのでなかなか時間が掛かります。
(本当に作りたい物が出来上がるのか?)と不安になる事も有りますが、
私の性格上かなりのプラス思考なので今回も何とかなると確信しております。
刻印の型が出来上がって来ました。
こちらの素材も偶然に真鍮製でしっかりとした重みがあり良い仕上がりです。
ベルトのプロトサンプルが上がって来ました。
プロトサンプルはキナリのナチュラル色の革で作製しました。
なかなか良い仕上がりに上がっていて一安心です。
しかしビッグジョンの本格的なジーンズは15ozクラスで、中には23ozとかなりヘビーオンスも存在します。(その当時は26ozも存在しました。)
そのジーンズと合わせるとどうしてももっと肉厚なベルトが作りたい。
そんな想いで業者様に尋ねました。
「木村さん聞いては見ますが・・・それは無理だと思いますよ。」
そして返事が返って来ましたが、やはり難しいという事でした。
無理な原因は
物理的に出来ないのか?
それとも出来なくは無いが条件的に出来ないのか?何か理由が有るはず
色んな事を考えながら産地に直接お話をしにお伺いしました。
革の仕上げ整理加工の社長様は、現場が高齢化で今以上厚い革は重量が重く取り回しが大変で難しいと言われていました。(確かに1枚の皮は重く大きく今より厚みが太くなれば言われるのも納得がいく)
もう一つの理由が革は生き物なので色んな状態の皮が有り、その時々で皮の状態が違うから違うルートからの皮の仕入れはリスクが掛かると言われていました。
工場様の言われている事は現実の事で私も良く解ります。
ただ作るからには売れる商品、お客様が喜ぶ商品を作りたい。
そんな想いを伝えビッグジョンの26OZのジーンズを見て頂きました。
社長様はこの通常の倍以上の重さ、ゴツイジーンズを見て、
「驚き!」
一緒に鞣し工場に行く事になりました。
鞣し工場の社長様も同じように難しい理由を教えて下さいました。
5mm厚は牛の種類から変わるので、皮の厚さが厚くなれば中までちゃんと薬品が入って鞣しが出来るか解らないし、タイコでの鞣しで5mm厚はやってみないと解らない。
海外からの仕入れルートも変わるのであたって見ないと解らない。
現地に来て色々現場の方と話をすると
「なるほどー」
と難しい理由が解りとても勉強になります。
こちらの作りたい想いと、業者様の想いを少しずつ寄り添って
お互い無理のない条件等を話し合いひとまず試験的にサンプルを作製する事になりました。
無理難題を引き受けて頂き、大変有り難う御座いました。
そして革が上がって来てベルトを作製して頂きました。
5mm厚のベルトはとても極厚で特別感が有ります。
真鍮のバックルともとても相性良くこれは売れると思いました。
26ozのジーンズにも良く合う
こんなベルトは見た事無い 唯一無二のベルトに仕上がりました。
産地があったからこそ成し遂げれた事で感謝しか有りません。
我々の出来る事はお客様が喜ぶ商品を企画し作り続ける事。
そしてビッグジョンはこれからも産地や現場を大切に、物づくりを進めて行きたいと思います。
このビッグジョンと姫路コラボはシーズンで新しい試みを進めて行きたいと考えているのでお楽しみに。
またジーンズの経年変化とレザーベルトの経年変化を楽しんで頂けたら幸いです。
御閲覧、有り難う御座いました。