レザーベルトBLOG【第3話】

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BLOG 第3話 

オリジナル真鍮バックル作製

 

皆様、こんにちはPLANNERの木村です。

前回は皮工場について色々と説明させて頂きましたが、今回はベルトのバックルについてお話しさせて頂きます。

バックルにも色々な素材が有りますが今回は東京の下町にある老舗の真鍮工場様にお願いをしてバックルを作製して頂こうと思います。

 

そもそも「真鍮」とは

古来から洋の東西を問わず人々に愛され続けた金属です。

インテリア、馬具、ドアノブ、アクセサリー等

真鍮という金属が持つ優しい輝き、真鍮本来の色は豪華客船のドアノブに使われていて

ピカピカに輝いています。

また真鍮の持つ暖かさ

そして時間が経つにつれ独特な風合いを醸し出すとても魅力的な金属です。

 

真鍮のバックルをオリジナルで作るのには先ずはデザインを決めていかないといけません。

  • バックルの外観
  • バックルの厚み
  • 各部位の長さ
  • バックルのアール
  • ピンの形状や太さ

等これからデザインを進めて行きます。

 

せっかくビッグジョンのオリジナルを作って頂くので、

 

なかなか世にないようなゴッついバックルを作りたい

 

ゴツゴツした男らしいバックルで長く愛用出来る様な

 

何とも言えないアールの曲線などなど考えるとワクワクして来ます。

 

時間を掛けながらデッサンを何枚も書いて修正を繰り返し行いました。

そして出来上がったデザイン案を元に業者様との打ち合わせを行い修正をして行きます。

デザインの形が大枠決まるとそこから、実寸のサイズにあったデザインを方眼用紙に

デッサンをして業者様にサンプルの木型を作製して頂きます。

その木型が完成すると、それを元に鋳物型を作って行きます。

 

「鋳物」とは

高温に熱されたドロドロに溶けた金属を型に流し込んで作製された物の事をいいます。

型の材質には様々な種類がありますが今回の真鍮鋳物金具は砂型で作製されます。

砂型で鋳造し型から取り出すとバリがあります。

そのバリを取る為に「タイコ」と言う木製のワッシャーで特殊な石と研磨剤を入れて洗って行きます。

そして磨き石と水と泥で洗って行く事で元々のピカピカの色から自然に馴染んだ色合いへと変わって行きます。

それは熟練した職人さんの技術と今まで培って来たノウハウで調整されて行きます。

 

そして最終「玉プラ加工」と言われる特殊な加工を施します。

玉プラ加工のプラとは塗装の意味で、メッキなどの不自然な塗装とは違い、

店等で色が変色しないよう自然な風合いのでる加工を行います。

 

3週間程で木型が完成し手元に届きましたが。。。

 

何やらイメージと違う、、、

 

自分が書いたデッサンと比べるとうりふたつ

 

業者様に正直にお話し木型をもう一度修正して頂く事を御願いしました。

(大変御無理を言って申し訳ありません。)

もう一度デッサンを方眼用紙に書き直し業者様にお送りしました。

 

業者の社長様から

「木村さんこりゃーかなりの大手術が必要ですわ・・・。時間が掛かります」

と言われながらも何とか大手術を引き受けて頂きました。

 

数週間後、修正された木型が届きました。

 

凄くゴツク、そしてしなやかなアールの曲線に仕上がっていました。

 

以前、社長様が言われていた事を思い出しました。

デザインもコンピューターで作った絵では綺麗なアールの曲線が出せない。

今も尚、手描きでデザインを描いて頂いているのはその為だ。

昔の車のデザインも全て手描きで、

型も手づくりで作っているのには意味が有る。

 

木型も本来の綺麗なアールの曲線を出すのには3Dプリンターでは出せない。

手彫りで職人が作っているからどこにも真似出来ない綺麗なアールの曲線を描いた

バックルに仕上がる。

 

その時、本当に日本の職人の素晴らしさを肌で感じました。

昔から変わらない伝統の作り方は

現代の進化した技術でもそれは超える事が出来ないのだと。

 

そして連絡をしてサンプル用の真鍮バックルを作製した頂きます。

 

数週間後待ちに待ったサンプルが手元に届きました。

 

最初の第一印象はごつくてかっこいい

 

そしてアンティーク調に仕上がった色とVINTAGEのような表面感

 

何とも言えない美しいアールの曲線は素晴らしいとしか言いようが無かった。

 

早く革を完成させてバックルと合わせて商品にしたいと思いました。

 

完成するまで時間は掛かり大変でしたが、本当に御協力して頂き、

職人様から色んなアドバイスを頂きやっと完成しました。

 

重厚感のあるビッグジョンのオリジナル真鍮バックル

 

本日、10時より販売しております。
極厚のHIMEJI LEATHERと職人手作りの真鍮バックルのコラボレーション。

4mm厚と5mm厚のベルトのバックルのデザインは異なりますのでご注意ください。

上の写真のバックルは5mm厚のものです。

皆さまぜひご覧ください。

 

NEXT;ベルトの完成とメンテナンス

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